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相続登記 業務関係

どこまで知ってますか?相続の基礎知識 「認定死亡?」

投稿日:2018年7月24日 更新日:

本日は、相続の基礎知識について説明していきます

相続が開始するケース

相続とは「人の死亡によって開始する」と法律上は定められています(民法882条)

それ以外にも失踪宣告というものがあります。失踪宣告には普通失踪特別失踪の2種類があります。(民法30条、民法31条)

他にも「認定死亡」といものもあります。(戸籍法89条)

 

人の死亡

人の死亡とは一般的にいわれる「死」のことをいいます。医師が死亡を認定した時点で相続が開始します。

戸籍に記載された日でもなく、死亡届を提出した日でもありません。

戸籍には死亡日時が記載されます。

時々ありますが孤独死の場合で、戸籍の死亡日欄に「平成30年7月19日頃」と書いてあれば、平成30年7月19日頃死亡となります。

 

 

普通失踪

普通失踪とは「ある人が居住していたところを去って所在不明となり、生死不明の状態が7年間経過した場合には、7年経過したときに死亡したとみなされる」制度です。(民法30条、民法31条)

特別失踪

特別失踪とは「戦争や船の沈没等に遭遇して危難が去った後、1年間生死が不明な場合には、危難が去ったときに死亡したとみなされる」制度です。(民法30条、民法31条)

危難が去ったとは戦争が終わったときや沈没船が沈没したときをいいます。

失踪宣告は家庭裁判所で手続きを行い、市役所に届出をださないといけません。

 

逆にいいますと、

家庭裁判所で失踪宣告の手続きを行って、市役所に届出を出しますと失踪者の相続手続きに入ることが出来ます

それ以外にも生命保険金の請求もできるようになります

失踪宣告の取消

失踪宣告の審判がなされた後、失踪者が見つかったときや異なる時期に死亡した事が判明したときには、失踪宣告の取消をすることになります。

失踪宣告の取消がされますと以下のようなことになります。

・失踪者から相続手続きでもらった財産の返還

・保険金の返還

ただし、法律上「現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する義務を負う」となっていますので、相続した財産の一部を使ってしまった場合や全部使い切ってしまった場合には、残っている財産だけを返還する必要があります。

認定死亡

認定死亡とは戸籍法上の手続きで水難・火災・震災・航空機事故などにより、死体が発見されなかった場合でも、その状況から死亡が確実とみられる場合に、その取り調べをした官公署の報告によって死亡と認定する制度のことです。

死体が発見されない場合に必ず、失踪宣告を受けないといけないとなると、相続人や利害関係人にとって、実際の生活において不都合が生じることがあります。例えば銀行の口座を相続手続によって名義変更しないと相続人の生活資金が困る。住宅ローンの返済がある場合に死亡したと認定されると通常、団体信用生命保険によって、住宅ローンが0円になるにもかかわらず、失踪宣告を待たないといけないとなると、最低でも1年間は誰かが払い続ける必要があります。

こういった不都合がでてきますので、認定死亡という制度があります。

 

ここまで説明したものは全て相続が開始します。

 

 

 

 

 

相続が開始しないケース

ただ、相続が発生しない場合の規定も法律上にありますので説明をしておきます。

同時死亡

同時死亡とは「数人の者が死亡した場合において、そのうちの一人が他の者の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は、同時に死亡したものと推定する」(民法32条の2)

簡単にいいますと、相続人となるためには、被相続人が死亡した瞬間に生きていなければ相続人にはなれない。

例えば、夫婦が車の事故で死亡してしまった場合、夫が明らかに妻の死亡時には生きていた、もしくは夫が妻の死亡時に生きていたことが明らかとならない限り、夫は妻の相続人にはなれません、また、妻も夫の相続人とはなれません。

次のようなケースに影響を及ぼします

 

 

 

事例検討

子供のいない夫婦(夫:太郎、妻:花子)が事故で共に死亡した場合、相続人は誰になるのでしょうか?
太郎、花子共に兄弟姉妹がいますが両親、祖父母がすでに死亡しています。
太郎と花子、事故でどちらが先に死亡したかがポイントになります。

 

 

 

 

 

 

 

↑↑↑↑

太郎さん名義の自宅を誰が相続出来る権利があるのか

 

 1.夫婦(太郎と花子)が同時死亡の場合

太郎と花子が同時死亡の場合

 

妻の兄(小次郎)には法務太郎の遺産相続の権利が発生しません。

太郎の相続人は、太郎の兄である大輔の1名が相続人となります。

 

 

 

 

 

2.夫(太郎)が先に死亡し、後から妻(花子)が死亡した場合

太郎が先に死亡し、花子が後から死亡の場合

 

 

太郎の兄(大輔)と妻の兄(小次郎)に太郎の遺産相続の権利が発生します。

(数次相続)
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太郎の相続人は太郎の兄である大輔と

花子の兄である小次郎の2名が相続人となります。

 

 

3.妻(花子)が先に死亡し、後から夫(太郎)が死亡した場合

花子が先に死亡し、太郎が後から死亡した場合

 

 

妻の兄(小次郎)に太郎の遺産相続の権利が発生しません。

太郎の相続人は太郎の兄である大輔の1名だけが相続人となります。

 

 

高齢者消除

高齢者消除とは所在不明の100歳以上の高齢者の方について、死亡しているものと認められる場合においては、市町村長が法務局長の許可を得て、職権で死亡したものとして戸籍からその高齢者を消除をいいます。(昭和32年1月31年民甲163民事局長回答)

この取扱は戸籍の整理のための行政措置ですので、この記載が戸籍にあったとしても、相続は開始しません

もし、相続手続きを進めるのであれば、失踪宣告の手続きが必要になります。

 

 

どこの国の法律が適用されるか

 

日本人の相続に関しては日本の法律(民法)が適用されます。

最近は在日外国人の方が日本で不動産を購入されるケースが非常に多くなっています。その外国の方が日本に帰化された場合には、当然に日本の法律が適用されます。

しかし、帰化していない間に死亡した場合、「法の適用に関する通則法」によりますと「相続は、被相続人の本国法による。」(同36条)となっています。

 

中華人民共和国(以下、中国)に国籍がある人の相続に関していいますと、

「中華人民共和国民法通則」と「中華人民共和国継承法」が中国の本国法になります。

中華人民共和国民法通則によると、不動産所在地法を適用すると規定されているため、結局のところ、日本の法律が適用されることになります

 

ただ、日本の法律が適用される範囲としては「相続」に関する法律だけですので、「親族」に関する法律は中国の法律となります。

「親族」に関する法律とは相続人が誰になるのか、というところです。

 

中国の親族に関する法律は「中華人民共和国結婚法」という法律に規定されています。

「夫婦は互いに遺産を相続する権利を有する」「父母と子は互いに遺産を相続する権利を有する」

日本と異なりますのが養子縁組をした場合

「養子と実親間の権利と義務は養親子関係の成立によって消滅する」とあります

日本では養子縁組をしても、実の親から相続する権利は消滅しませんが、中国では異なります

 

少しややこしいですが、

 

このように、本国法に「日本法によるべき」とあるときは、日本の法律が適用されます。このことを「反至」(はんち)といいます。

 

続いて

 

いつの時代の法律が適用されるのか

どこの国の法律が適用されるか、ということが本国の法律次第でかわることがご理解頂けたところで、次はいつの法律が適用されるか、という話になります。

 

日本においては相続が発生したときには、発生したときの民法を適用することになっています。

明治13.10.6~明治31.7.15までは「旧々民法}

明治31.7.16~昭和22.5.2までは「旧民法」

昭和22.5.3~昭和22.12.31までは「応急措置法」

昭和23.1.1~昭和55.12.31までは「新民法」

昭和56.1.1~現在「現行民法」

となっています。それぞれ、旧民法までは「家督相続」という考え方が一般的でした。

 

現在の民法とは異なる法定相続分が定められています。

 

 

家督相続

家督相続とは旧民法の規定による相続の形態をいいます。

戸主の身分と財産とを1人の人が承継する形の相続をいいます。

戸主の死亡・隠居・国籍喪失・入夫婚姻などによって開始され、直系卑属の中から一人だけが家督相続人となりました。

1947年戦後、家制度とともに廃止されました。

 

 

最近の相続手続きのご依頼をいただく際にも、長年、不動産の名義変更をしてこなかったことにより、数次相続が発生していて、相続登記の手続きにおいても、第一の相続登記の原因が「家督相続」となるケースがよくあります。

 

遺産相続

家屋相続が「戸主」と言われる者が、死亡・隠居・国籍喪失・入夫婚姻したときに発生するのに対して、「遺産相続」は戸主でない者が死亡した時に発生します。現在の相続の法律とよく似ていると思われますが「戸主」以外が財産をもっているケースがあまりなかったため、事例としてはあまりありません。


 

 

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