相続手続きあれこれ 銀行編 | 絶対に失敗しない相続対策 元木司法書士事務所備忘録   

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相続手続全般

相続手続きあれこれ 4回目 銀行編

投稿日:2020年9月8日 更新日:

相続が発生して被相続人の財産に銀行等の預貯金がある場合には基本的には、その口座は凍結されてしまいます。

ただ、凍結については銀行が被相続人の死亡の事実を知ることがない限り凍結されることはありません。役所に死亡届を提出したからといって、役所から銀行に通知が届く、ということはありません。口座が凍結されると入出金ができなくなります。つまり、その口座に生活資金の大半が入金されているような場合には、少しでも早く相続手続きを完了させなければなりません。銀行の手続きは基本的には平日の営業時間内に書類をそろえて、銀行に行く(もしくは郵送)しなければなりません。できるだけ無駄な動きを省きスムーズに手続きを完了させるように心がけましょう。

1 相続発生の連絡および相続手続きに必要な書類の確認

2 銀行預金の払い出しに必要になる書類の取り寄せ

3 相続人で誰がどれだけ相続するかの話し合い(遺産分割協議)または、手続きを誰が進めるか(代表相続人)決定

4 銀行所定の書類の提出

5 相続手続き完了(払戻または相続人への振込)

 

1 相続発生の連絡および相続手続きに必要な書類の確認

銀行によって、必要書類が若干違ったり、有効期限が3カ月である場合と6カ月である場合と様々です。また、相続発生の銀行への連絡は、キャッシュカードを誰かが持っている場合などに、勝手に引き出されないようにするためには、できるだけ早く連絡はしたほうがいいでしょう。その際に必要事項を確認するのが一般的ですが、【遺言書】があるのかどうか、【遺産分割協議】が成立しているのかどうかで書類は変わります。

遺言書もなく、遺産分割協議も成立していない場合では【代表相続人】を一人決めて、代表相続人が銀行の手続きを進めていく、ということが一般的に多いと思われます。

通常の相続手続きに必要な書類

一般的には遺言書がなく、遺産分割協議も成立していない場合には次の書類が必要になります。

1 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、住民票除票又は法定相続情報一覧図

2 相続人全員の戸籍謄本(または抄本)または法定相続情報一覧図

3 相続人全員の印鑑証明書

4 代表相続人の身分証明書

5 通帳及びキャッシュカード

遺産分割協議書がある場合

遺産分割協議書がある場合の手続には、次の書類が必要となります。

1 遺産分割協議書(法定相続人全員の署名・実印の押印があるもの)

2 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、住民票除票又は法定相続情報一覧図

3 相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書又は法定相続証明情報

4 相続人全員の印鑑証明書

5 通帳及びキャッシュカード

遺言書がある場合

1 遺言書(自筆証書遺言の場合には検認手続が完了している必要があります)

2 被相続人の戸籍謄本、住民票除票又は法定相続証明情報一覧図

3 その預金を相続される方(遺言執行者がいる場合には遺言執行者)の印鑑証明書、身分証明書

4 通帳及びキャッシュカード

遺産分割前の相続預金の払い出し制度

2019年7月1日、民法という法律が改正されて、遺産分割前の相続預金の払い出し制度が新設されました。

今までは、相続人全員が書類を提出してはじめて、相続預金の払い出しが可能となっていました。現在はお亡くなりになった時の預貯金の残高×1/3×法定相続分または150万円どちらか低い額は相続人の一人から払い出しができるようになりました。相続人同士の仲が悪く手続きが進められないなど特殊な事情がある場合には使える制度です。

1 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、住民票除票又は法定相続情報一覧図

2 相続人全員の戸籍謄本(または抄本)または法定相続情報一覧図

3 相続人の印鑑証明書、身分証明書

必要書類は銀行によって異なりますので、確認が必要です。

戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本は本籍地のある役所で取得する必要があります。

法定相続情報一覧図でがあれば、戸籍謄本等の束を銀行に提出する必要はありません。3の相続人全員の印鑑証明書については、遺言書がない場合、また遺言書があっても遺言執行者が定められていない場合には必要になります。また、遺言書については自筆証書遺言でかつ法務局の保管制度を利用していない遺言書は、家庭裁判所で検認手続きを受けてからでないと手続きをすることはできません。公正証書遺言や自筆証書遺言でも法務局の保管制度を利用している場合には、検認手続きは不要となります。

銀行等の預貯金の払い出し手続きには期限はありません。

よくある質問Q&A

Q 相続が発生する前に、だれか推定相続人が預貯金を全部引き出した方がいいですか?

A よくあるご質問です。相続人が複数名いる場合に「勝手に引き出して自分のために使ったのでは?」と後からもめるケースがあります。もし、引き出しをする必要があるのであれば、相続人全員に後々いらぬ疑いをかけられないようにしておきましょう。複数の金融機関の口座を持っていて、少額の金銭しか入金されていないのであれば、引き出して他の口座にまとめておくのはいいかもしれません。


 

Q 書類がすべてそろってから金融機関に申し出をするとどれぐらいの期間で払戻できるようになりますか?

A 金融機関によって手続き完了までの時間は異なりますが、大体2週間前後かかります。


 

Q 法定相続情報一覧図は銀行に原本を提出しなければなりませんか?ほかの金融機関や法務局などに使用したいのですが。

A 法定相続情報一覧図は基本的に一度は原本を銀行に出さなければなりませんが、その場で原本を返してもらえます。次の手続きでも問題なく使用できます。


 

Q 平日は仕事で休みが取れない場合には何か方法がありますか?

A 土日も営業している金融機関もありますので、営業している日に行くか専門家に一括して依頼する方法もあります。


 

Q 法定相続情報一覧図の作成と戸籍の収集作業だけの依頼でも大丈夫でしょうか?

A 大丈夫です。


 

銀行の相続手続き その他の注意点

預金が凍結されてしまいますと今まで引き落としで払ってきた公共料金、携帯電話料金や生命保険料などの支払いがストップしてしまいます。心当たりがある方は相続が発生する前に、引き落とし口座の変更をしておくことも考えておいてもいいでしょう。

他にもネット銀行に口座を持っている場合には、事前に家族にネット銀行の口座を持っていることを伝えておく、エンディングノートに書いておく、という工夫が大事になります。

相続税の申告が必要なケースでは、死亡日における口座の残高証明書が必要になります。その際、経過利息の記載も必要となります。また、税理士に相続税の申告を依頼する場合においては、一番新しい通帳だけではなく、過去の分の通帳も提示を求められます。もし、通帳が新しい分以外に見当たらない場合には、銀行への申し出の際に取引明細書(過去の履歴)も依頼しましょう。

出来る限り、一度の手間で用が済むように心がけるためには、銀行における相続手続きの全体像を把握しておくことが大事です。

 

 

 

 

 

 

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