遺産分割協議の流れ その3 | 絶対に失敗しない相続対策 元木司法書士事務所備忘録   

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遺産分割協議 遺産分割の流れ③

投稿日:2018年8月7日 更新日:

 

今回も引き続き遺産分割についての投稿となります。

遺産分割が無事に終了した後の遺産の名義変更の方法についてご紹介していきます。

この記事の目次

【名義変更の方法】

遺産分割後、遺産分割協議に従って各遺産を相続人に分配する必要がありますが、対象財産の種類によって名義変更の手続きが必要となります。

(1)不動産

・遺言がない場合

遺産分割協議後、遺産分割協議の内容に従って、名義変更の登記を行う場合、その手続きは分割協議前に共同相続登記がすでになされていたかどうかで少し異なります。

共同相続登記がなされていない場合は、遺産分割協議によって、当該不動産を取得する相続人が、「相続」を登記原因とする所有権移転登記を申請します。

次に、共同相続登記がなされていた場合には、遺産分割協議で当該不動産を取得する相続人を登記権利者とし、共同相続登記がなされているほかの相続人全員を登記義務者として、両者の共同申請により、「遺産分割」を登記原因とする共有持分移転の登記をすることになります。

・遺言がある場合

「相続させる」旨の遺言がある場合には、当該不動産を取得する相続人が、単独で「相続を」登記原因とする所有権移転登記を申請することができます。

次に、「遺贈する」旨の遺言がある場合には、原則として、受遺者(遺贈を受ける人)と遺言執行者又は相続人全員との共同申請により、「遺贈」を原因とする所有権移転登記申請をします。

 

(2)預貯金

預貯金の名義変更を行う場合は、金融機関所定の相続届や名義変更届を提出して行う場合が多いですが、これらの書類には相続人全員の署名押印が必要であったり、相続人であることを証明するために戸籍、印鑑証明書の提出が求められます。

そのため、まずは手続きする金融機関に問い合わせ、相続のための書類を請求し、どのような書類が必要になるのかを確認するのがおすすめです。

 

(3)株式

株式は相続開始とともに相続人全員の共有になるため、各相続人は単独で自分の相続分に応じた数の株式の名義書換えだけを請求することはできず、相続人全員の合意を前提として請求する必要があります。遺産分割で当該株式を相続した相続人は証券会社等を通じて相続関係の書類を提出し、名義書換えの手続きを行いますので、関係機関に問い合わせて必要書類等を確認しましょう。

 

(4)ゴルフ会員権

ゴルフ会員権には、主に①預託金会員制の会員権、②株主会員制の会員権、③社団法人制の会員権の3種類があり、①の預託金会員権が多数を占めています。

まず、預託金会員制の会員権とは、預託金返還請求権、ゴルフ場優先利用権、ゴルフクラブに対する年会費納入義務を包含するゴルフクラブ運営会社との契約上の地位をいい、会員権の相続・譲渡とは、この契約上の地位の移転、譲渡を意味します。ほとんどの会則ないしは運営規則により、会員権ないし会員資格の相続につき規定されています。

次に、株主会員制の会員権は、株主たる地位、ゴルフ場優先利用権、年会費等の納入義務により構成されるゴルフクラブの運営会社との間の契約上の地位を意味し、その相続については預託金制の会員権と基本的に同様です。

そして、社団法人制のゴルフクラブでは、その会員権の相続、譲渡を認めていないところが比較的多いのですが、事実上相続や譲渡を認めているところもあります。

よって、相続については、相続人においてよく会則等を確かめ、その取得方法や名義書換手続きを確認する必要があります。

 

(5)その他の財産権

その他にも、自動車などの特定の動産には登録制度があり、その場合には、名義変更に必要な登録手続きを行います。こちらも関係機関に問い合わせ必要書類、手続き等の確認を速やかに行うことをおすすめします。

 

相続が開始した後、長年遺産の名義変更を放っておくと、思いがけない事態に陥ることもあります。その代表例が、放っておいた間に新たに次の相続が発生して相続人の範囲が拡がってしまうという事例です。(数次相続といいます)

そのうちやればいいやと放っておくうちに忘れてしまい、将来何かの手続きの前提で名義変更が必要になった時に、相続人が広範に拡がっていて手がつけられない、なんていうことは実際に起こります。やはりある程度速やかに名義変更手続きは済ませておいた方が良いでしょう。

 

 

 

 

 

 

-相続登記, 相続手続全般, 遺産分割について

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