先日の相続手続きを失敗しない③で天保生まれの方の相続登記についてお話をしました。
昨日、法務局より連絡がありまして、死亡時期の記載のある戸籍がなく、相続の順番も分からないということであれば現在の手続き法においては相続登記できません、との連絡が入りました。
現在、今後の対応について検討中です。現地(山林)を管理するか、相続放棄をするかです。
現地を管理するにしても、相続登記ができませんので、確定的に所有権を取得することが出来ません。
将来的なリスク(崖崩れ、山火事等)を考えると相続放棄を行う方がいいのかもしれません。
但し、相続放棄についても書類上できるのかどうか、不明です
このような事にならないように、本来は遺言書作成をお勧めするのですが、相続の手続きは早め早めに行うようにしましょう。
今回の案件は残念ながら、書類上、相続登記が出来ない、という初めてのケースとなりました。
せっかく、ご先祖様が残してくれた財産、手続きを長年、放置したことによって、相続出来なくなるということがないようにしたいものですね。
書類上、相続登記が出来ない、というのは初めてのケースですが、それ以外の理由で相続登記が出来ないことはあります。以下のような遺産分割協議が成立しないケースです。
①長年相続登記をしないで放置したことにより、相続人が増えてしまって、全員の連絡先、行方がわからない
②被相続人の介護等しなかった相続人が自分の権利だけ主張する
③お金を要求してくる(高額なはんこ代)
④相続人が認知症で判断能力がなく、話し合い(遺産分割協議)ができない
⑤相続財産が高額な不動産と少額な現金しかない
他にも色々とありますが、
遺産分割協議は相続人全員が同意しないと成立しません。相続人の人数が多ければ多いほど難しくなります。
相続人同士で遺産分割が話し合いで成立しない場合、次の方法により解決していくことになります
①第三者を立会人として遺産分割協議を行う
相続人同士の話し合いは感情的になってしまうことが多く、冷静に話し合いが進められないことがあり、第三者を立ち会わせることにより感情的な発言を抑制する効果があります。立会人は代理人ではありませんので、話し合いの進行役に徹する必要があります。
②家庭裁判所において遺産分割調停を行う
上記①と同じく第三者(調停委員)の立ち会いのなか、同じ部屋、もしくは別室で調停委員を介して話し合いすることになります。家庭裁判所で行いますので、感情的になることを抑制する効果があります
③前記②の遺産分割調停が成立しない場合には、家庭裁判所において遺産分割調停にかわる審判をしてくれます。
元木事務所がお客様をサポートしたことにより①②及び③で解決し、無事相続登記が完了した案件がございます。
①②③のサポートの場合の費用はさほどかかりませんが、遺産分割調停は1、2か月に一度、調停期日にご本人が家庭裁判所に出頭していただくことになります。
司法書士は依頼者に代わり、出頭することができませんので、お仕事で平日はむずかしいお客様は弁護士に依頼していただくことになります。
弁護士の紹介もできますので遠慮なくご連絡下さい。
最後までご覧頂きありがとうございました。