人が亡くなったとき、その人が持っている財産を相続人が承継していくことになります。この承継する人は家族などの親族である場合や、遺言書により承継先として指定された人のことです。そして、相続または遺贈により承継した財産額が大きい場合には、相続税がかかります。相続税とは相続財産に対して課税され、被相続人が亡くなった後10ヶ月以内に相続人や受遺者(遺贈によって財産を取得した人)が支払う税金です。相続財産総額が基礎控除の範囲内であれば、相続税はかかりません。また申告する必要もありません。
注意をすべき点が、相続税がかからない=相続税の申告が不要という図式ではありません。この点を誤解をされている場合が多いです。
この記事の目次
相続税の基礎控除の計算方法
3000万円+相続人の人数×600万円
被相続人の財産がこの計算式の金額を超えない場合には、相続税の申告が不要です。
ココガポイント➝被相続人の財産に含めなければいけない財産には以下のようなものがあります
1現金、預貯金、株式等の有価証券、不動産、動産(骨董品、貴金属、絵画等)
2相続人や受遺者に対する相続開始前3年以内の贈与
3相続時精算課税制度を利用した場合の贈与財産
4生命保険金
5死亡退職金
2~5についてをみなし相続財産といいます。みなし相続財産とは相続財産ではないが、税務上、相続財産とみなされてしまう財産のことをいいます。みなし相続財産のうち「生命保険金」「死亡退職金」には、非課税枠があります。事前にこの非課税枠を把握しておくと、相続税対策として利用することも出来ます。
一方で、相続財産にならない非課税財産もあります。
1お墓、仏壇、仏具、位はい、神棚など、日常礼拝をしている物
2非課税枠内で相続人が受け取る生命保険金
3非課税枠内で相続人が受け取る死亡退職金
4相続人が寄付した財産
相続税の申告において知っておきたいこと
マイナスの財産の資料を捨てない
・葬儀費用
・治療費・入院費などの医療費未払い分
・税金の未納分の請求書や領収書
・借金の資料
これらを相続人が支払った場合には、被相続人のプラスの財産からマイナスすることができます。
配偶者の税額軽減
配偶者の税額の軽減とは、被相続人の配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が、次の金額のどちらか多い金額までは配偶者に相続税はかからないという制度です。
1. 1億6千万円
2. 配偶者の法定相続分相当額
小規模宅地の特例
個人が、相続又は遺贈により取得した財産のうち、その相続の開始の直前において被相続人等の事業の用に供されていた宅地等又は被相続人等の居住の用に供されていた宅地等のうち、一定の選択をしたもので限度面積までの部分については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、一定の割合を減額します。この特例を小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例といいます。
なお、相続開始前3年以内に贈与により取得した宅地等や相続時精算課税に係る贈与により取得した宅地等については、この特例の適用を受けることはできません。
相続に強い税理士に依頼する
税理士によっては、資産税に力をいれている税理士とそうでない税理士事務所に分かれています。相続税に強い事務所に依頼をしなかったために、申告後の税務調査で大変なことになった、という方も現実にいらっしゃいます。大事なことですので、そこは見極める必要があります。当事務所では20年以上の司法書士業務をしてきており、相続税及び相続対策に強い、税理士と顧問契約をしておりますので、ご紹介は安心していただいて大丈夫です。相続税の申告で全国対応と宣伝をしている事務所も見受けられますが、不動産があるときに現地確認をしないようであれば、あまり信用はできないかもしれません。
税務申告が必要な場合の流れ
1.お問い合わせ
相続手続きの説明の際の面談時にヒアリングさせていただいて、相続税申告の必要の有無、スケジュール、必要書類等をお伝えします。相続税の申告をしなければいけない場合には、税理士を紹介させていただきます。
2.税理士と面談
資産税に強みがある税理士による面談の上、様々なご質問・ご相談に対して専門家として意見を述べさせていただきます。相談料は無料です。
3.相続税のシミュレーション
おおよその相続税の金額及び税理士報酬のご案内。報酬目安としては財産総額の1%というところが多いです。
4.税理士にご依頼
税理士と業務委託契約の締結。
5.税理士による財産調査
金融機関等への残高照会や所有不動産の確認を行います。場合によっては、不動産の測量が必要になり、現地確認を行います。現地確認をすることにより、路線価によって計算された評価額が下がることがあります。相続税の申告で全国対応をネットで掲げているところがありますが、この現地確認をしているのかどうかがポイントになるかもしれません。
6.税務申告前の説明
相続人調査、財産調査の結果、相続税の金額等、最終報告をいたします。場合によっては、第二次相続をふまえた提案を行うこともいたします。
7.税務申告
税理士により申告いたします。通常、書面添付制度によって申告をいたします。