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「株式譲渡制限」「非公開会社」について オフィス北野の報道を受けて②

投稿日:2018年4月10日 更新日:

本日は相続人が複数名いる場合の中小企業のオーナー様の注意するべき点に重点をおいて話したいと思います

前回は株式の譲渡について話をさせていただきました。株券を発行している会社と、発行していない会社があって、それぞれ少し譲渡の方法が異なりますよ、場合によっては相続対策がとれないケースもありますよ、ということを話しました。

前回のブログと一緒で、オフィス北野の報道でテレビのコメンテーターの発言から、まずは話をしたいと思います

「オフィス北野は非公開会社だから、会社の承認を受けているはず、」または、「株式譲渡制限会社のはずだから、株式の買い取りについて会社の承認を受けているはずだ」、「ただ、買い取った社長がすでに株主だったから会社の承認はいらないかもしれない。」

とコメンテーターが発言していたのを聞かれたかもしれません。

実際のところは、どうなんだろうと、オフィス北野の会社の登記簿を請求しても、現在、見ることが出来なくなっていますので(登記の事件中になっています)、非公開会社かどうか確認ができません。

一般的に、会社の登記簿を見ると中小企業の場合、「当会社の株式を譲渡により取得するには当会社(または取締役会)の承認を要する」、と記載のある会社が結構あります。

この記載のある会社のことを「非公開会社」(または、公開会社でない会社)といいます

また、この規定のことを、「株式の譲渡制限」といいます

株式譲渡制限とは、会社にとって、好ましくない者を株主としてむかえたくない、という意味合いがあります

この規定がない中小企業で株主が複数名いらっしゃる場合は、今後、注意が必要かもしれません。

理由としては、株主が複数名いる場合で、そのうちの一人でも第三者に株式の譲渡をした、という方がでてきた場合には
株式を譲り受けた方が株主となって、株主総会において会社に対して意見をいうことができるようになります。(会社法303条)→株主提案権

 

以前、よくテレビに映っていた、〇ファンドなんかは「物言う株主」でした

ああいう株主があらわれる可能性がありますので、

中小企業で「株式譲渡制限」規定のない会社で

1.株主が複数名いる場合
2.オーナ企業で社長が一人株主であるが、その相続人が複数名いる場合
3.オーナー様が後継者(相続人以外)を決めていない場合

株式が分散されている企業が実際、結構ありますので、本当に要注意です

株主が複数名いる場合には株式の譲渡制限規定を設定する、相続人に対しての株式売渡請求、株式の譲渡(売買や贈与)等によって分散化を防ぐ等の何らかの対策をとっておいた方がよいと思います。ただし、相続人に対しての株式売渡請求は、取扱が要注意です。最悪の場合には、会社を少数株主に乗っ取られる可能性もあります。

社長が一人株主でその相続人が複数名いる場合には、遺言書を作成して株式が分散しないように誰か一人に相続させるようにしたほうがいいかもしれません。他にも、家族信託を設定するなど、何らかの対策をとられたほうがいいと思われます。
意見の対立、考え方のずれによって、会社の方針が決まらないなんてことにならないようにしてください

後継者がオーナー様の相続人でない場合も要注意ですね、せっかく、後継者となって会社の代表取締役になったとしても株式をもっていなければ 会社の支配権は、はっきりいってないに等しいものです。株を相続したオーナーの相続人と意見の対立があったりすると、解任させられる、なんてことも考えられます

以上のように、「非公開会社」「株式譲渡制限」は、すでに設定されている中小企業が多いので、あまりクローズアップされていないところですが、結構大事です。もし、設定されていない、自分で会社設立登記をしたからわからない、という方がいらっしゃったら、一度専門家にご相談ください。

ちなみに、上場している会社には「株式譲渡制限」規定のある会社はありません

もし、規定があると証券会社で株を購入する毎に、会社の承認を得なければいけない、ということになります

 

最後までご覧頂き、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

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