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相続対策 遺言書作成

どこまで知ってる?失敗しない遺言書作成のポイント② 基本編

投稿日:2018年8月13日 更新日:

夫婦の間に子どもがいない、配偶者以外の法定相続人が兄弟姉妹という場合に、配偶者に預貯金や自宅を相続させるためには、遺言書の作成が必要です。
他にも、離婚して再婚し、前の配偶者との間に子供がいる場合、再婚後の配偶者と前の配偶者との間での遺産分割協議のスムーズな合意は、あまり期待できません。

自分の死後、残された家族が苦労しないようにするためには、遺言書の作成が必要になります。

遺言の方式には、主に、公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺言があります

公正証書遺言

公正証書遺言とは公証人が遺言の法的有効性をチェックし、作成後、遺言者が120歳の年齢になるまで公証人役場で原本を保管する遺言のことをいいます。
紛失、偽造の心配のない、最もポピュラーな遺言の一つです。
公証人の面前で作成する必要があり、また証人が2人必要になり、遺言書の内容が公証人や証人には秘密にはできない遺言書です
多くは、弁護士や司法書士という専門家の関与の元、作成されます。多くの場合、その弁護士や司法書士がそのまま証人になります。

自筆証書遺言

自筆証書遺言とは費用がかからず、いつでも書けるなど手軽に作成できる遺言です。
その反面、その内容が相続人の希望に添わない場合などに相続人により廃棄されてしまう等、保管する方法が大事なポイントです。
他にも、法律上の要件を満たしていないと、作成した遺言が無効になることもあります。
公正証書遺言と同じく、ポピュラーな遺言の一つです。

秘密証書遺言

秘密証書遺言とは、遺言する人が自分で作成した遺言書を公証人のところまで持っていきます。その遺言書の「内容」を秘密にしたまま、遺言書の「存在」のみを公証人に証明してもらう遺言書のことをいいます。
公正証書遺言のように遺言の「内容」を人に知られてしまうこともありません。
あまり、利用されていません。

 

自筆証書遺言の作成ポイント

本日は、自筆証書遺言の作成ポイントについて、解説をしていきます

まずは、こちらの家族構成をご覧下さい

 

家族構成

 

このような家族構成で、太郎の思いが全ての財産を花子に残してやりたい、という思いがある場合の遺言書を太郎さんが、専門家に相談せずに自分で作りました。

太郎の遺言書

     遺言書

私、法務太郎は子供がいないので次のとおり、遺言する。

     

私の全財産を①法務花子に②遺贈するものとする

③④

平成30年8月吉日⑤

住所 京都府宇治市広野町一里山65-3京都建物クレスビル401号

氏名 法務 太郎   印

 

プロの視点より、気になるところに①から⑤までの数字を入れました。

 

理由を順番に見ていきます

特定

①としては法務花子さんを特定する情報をもう少し加えましょう

例えば

「京都府宇治市広野町一里山65-3京都建物クレスビル401号 法務花子」

「私の妻(又は配偶者)である法務花子」

「私の妻である京都府宇治市広野町一里山65-3京都建物クレスビル401号
法務花子 (生年月日昭和33年3月3日生)」

 

というように、花子さんの特定が必要です

 

世の中には同姓同名の他人が現実に存在します

もし、身近に同姓同名で赤の他人の「法務花子」さんが存在していたら、せっかく書いた遺言書が使えない可能性もあります

 

法律用語(言葉遣い)

②については、法律用語についてのお話です

花子さんは太郎さんの奥さんですので「遺贈する」ではなく、「相続させる」がよいと、思います。

万が一、同姓同名の「法務花子」さんがいた場合に、「私に対する遺贈だ」、なんてことにならないようしてください

 

特段、今回のケースでは影響がないのですが、この遺言書の例と異なる遺言書を作成する際に影響がでてくる場合があります。

 

遺言執行者

 

③については、遺言執行者の定めがなされていない点が気になります。

今回の遺言書については、実の子供である「一郎」も相続人になります。

遺言執行者を指定しておかないと、将来、太郎が死亡し、遺言を執行しようとしたときに「一郎」の協力が必要になってしまいます。

「一郎」にとっては、自分に財産が全く入らないのに、赤の他人である花子に協力するのか、なんてことにならないように注意しておきましょう。

 

遺言書を作成する時には、

 

本遺言を執行する者として法務花子を指定する

 

という条項を入れることを忘れないで下さい。

 

遺言執行者とは、遺言の内容の実現のために必要な事務を行う権限を有する者のことをいいます。

我々、専門家も遺言執行者になっているケースもよくありますし、専門家以外の方でも遺言執行者になることができます。

 

予備的遺言の定め

④については予備的遺言の定めがされていない、という点です

もし、太郎より先に花子が死亡してしまったら、

相続人は「一郎」ただ、一人だけになります。

 

太郎にとって、実の子供である「一郎」が相続する事をよし、とするのであれば、予備的遺言は必要ありません

但し、花子が先に死亡した後、花子の兄弟姉妹の子供(甥姪)が面倒を看てくれて、甥や姪に相続させたいといった場合には、予備的遺言で定めておく必要があります。

文言としては

「万一、花子が遺言者の死亡より前にもしくは、遺言者と同時に死亡したと推定される場合には、第~条で遺言者の妻花子に相続させるとした財産を花子の甥である「住所・・・

氏名〇〇次郎に遺贈することとする」

この場合には、当初の遺言執行者である「花子」も死亡しているので

「前~条の遺言を執行する者として〇〇次郎を指定する」

 

と記載があればいいですね

 

遺言書作成日

⑤については、日付です

日付が平成30年8月吉日になっていること

遺言書作成日が「吉日」では特定できないという理由で遺言書が無効となる判決が出ています

(昭和54年5月31日最高裁 )

 

せっかく作成した遺言書が無効であったり、結局他の相続人達の手をわずらわせる必要がないように、しっかりとした遺言書を作成するように心がけましょう

 

 

 

 

 

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