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これだけは理解しておきたい相続放棄

投稿日:2018年4月24日 更新日:

相続放棄は、皆さん相談に来られる前に、ひととおり、インターネットで調べてから事務所に相談に来られるケースが多いと思いますが

現在、世の中で使われている「相続放棄」という言葉には、2種類の意味合いで使われています

相続放棄の意味合い

 

ちなみに専門家は1種類の意味合いでしか使いません

一つは、家庭裁判所において手続きを行う「相続放棄」
もう一つは遺産分割協議のなかで「私は財産いらないよ」、という意味合いでの相続放棄

専門家は家庭裁判所において行う「相続放棄」のことを、「相続放棄」とよんでいます
では、遺産分割協議のなかで「私は財産いらないよ」、ということについては、「遺産分割」とよんでいます

多くの方が、

お電話いただく際に、「父親が亡くなったので、母親に自宅の名義変更をお願いしたいのですが、長男である私は放棄しましたので・・・」
とご連絡いただくことが多いです、おそらく遺産分割協議をしたんだろうな、と思いながら話を聞いています。

これが、「父親が亡くなって、負債が多いので私は相続放棄をしましたので・・・」
であれば、法律上の相続放棄の意味合いとしてあっています。この場合には、家庭裁判所の手続きをよく自分でできたなあ、と思いながら話を聞いています。

この記事の目次

相続放棄の時期

 

相続放棄の場合は「相続人が相続開始があったことを【被相続人(亡くなられた方のこと)の死亡の事実を】知ってから3ケ月以内に家庭裁判所に相続放棄の申述を行う」ことによって、相続放棄が認められます。ただし、相続放棄をするまでに被相続人の財産を使ったり、被相続人の借金を相続人の立場で支払ったりすると、相続を承認したことになりますので相続放棄は認められません。また、相続放棄をしてしまうと、その後にプラスの財産がでてきたとしても、相続する事が出来ません。

 

相続放棄必要書類

 

相続放棄で一般的に必要になる書類
・被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本
→相続人と被相続人の関係によっては、相続放棄をする方と被相続人が出生したところから、最終の戸籍まで要求される場合もあります
・被相続人の住民票の除票、または戸籍の附票
・相続放棄をしようとしている相続人の戸籍謄本
・収入印紙800円
・郵券(切手)82円
→82円×5枚、10円×5枚 のところもあります

頭のかたすみにおいていただきたいのが

 

相続放棄申述受理通知書と相続放棄申述受理証明書

 

相続放棄の申立を家庭裁判所に行い、受理されると、「相続放棄申述受理通知書」という書類が家庭裁判所より送られてきます。

債権者によっては、相続放棄申述受理通知書のコピーでいいですよ、というところもありますが、

基本的には「相続放棄申述受理証明書」が必要になります

「相続放棄申述受理証明書」は相続放棄の手続きが完了してから取得できるものになります

また、相続放棄の申立とは別の書類が必要になります
・申請書
・収入印紙150円
・運転免許証等のコピー

相続放棄をする場合には、債権者に何を提出しないといけないかを確認していただく必要があります
相続登記手続きにおいては、相続放棄申述受理証明書が必要です

 

3カ月経過後の相続放棄

 

基本的には、相続開始を知ってから3カ月以内に家庭裁判所に申述をするとなっていますが、例外的に3カ月を過ぎても放棄の申述ができる場合があります

最高裁判所の判例ですが

相続人が、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に相続放棄をしなかったのが、被相続人に相続財産が全く存在しないと信じたためであり、かつ、被相続人の生活歴、被相続人と相続人との間の交際状態その他諸般の状況からみて、その相続人に対し、相続財産の有無の調査を期待することが著しく困難な事情があって、相続人において上記のように信じたことについて相当な理由があると認められるときには、相続放棄の熟慮期間は相続人が相続財産の全部または一部の存在を認識した時、または通常これを認識しうるべき時から起算すべきものである。
(最高裁判所昭和59年4月27日)

ポイントとしては
被相続人に相続財産が全く存在しないと信じた
相続人に対し相続財産の有無の調査を期待することが著しく困難な事情がある
被相続人に相続財産が全く存在しないと信じたことについて相当な理由がある

このポイントを満たしている場合には、相続開始を知ってから3カ月を過ぎたとしても、相続放棄が認められることになります。

元木司法書士事務所においても、最近、相続開始後、3カ月を経過した相続人(お客様)からの相続放棄の依頼を無事、完了させました。
実は、私も過去に経験があったのですが、ひそかにドキドキしていました。

三ヶ月経過後の相続放棄は、通常の相続放棄とは違う書類の提出も必要になりますので、経験のある専門家に依頼された方がいいと思います
相続放棄の申述は一発勝負ですので、要注意です。

 

元木司法書士事務所の費用

 

通常の相続放棄 4万円(税別)+実費
死亡後、三ヶ月経過してからの相続放棄 6万円(税別)+実費

ご兄弟、親子等で同一の被相続人についての申立は二人目以降は半額となっております

 

是非ご相談ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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