遺言執行者に誰がなる? | 絶対に失敗しない相続対策 元木司法書士事務所備忘録   

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遺言執行者に誰がなる?

遺言執行者には多くのケースでは遺言書作成を依頼した司法書士や弁護士が遺言執行者に就任するケースが多いかもしれません。ただ、一般の方でも遺言執行者に就任することができます。そして、相続人への財産目録の交付などの義務を果たすことが出来れば、問題なく業務をこなすことができます。ただ、一般の方が遺言執行者になる場合、財産を一番多く相続出来る方が遺言執行者になるケースが多いです。この場合、他の相続人に対して、相続財産の財産目録を交付して、遺留分減殺請求の行使の機会を与えてあげないと、後に損害賠償請求される可能性がありますので要注意です。

相続人の1人が遺言執行者に就任した場合、その遺言執行者である相続人だけが相続財産の管理処分権限をもちます。他の相続人は遺言執行を妨げるような行為をすることはできません。

この記事の目次

遺言執行者を選任することのメリット

遺言執行者は相続開始後に遺言書の内容を実現する手続きを単独でする権限を持っています。相続人が複数いる場合などの相続手続においては、銀行、証券会社や不動産の名義変更書類への署名押印など、たくさんの書類が必要になりますが、遺言執行者を指定おけば、基本的には遺言執行者が相続人代表として単独で手続を進めることができますので、時間短縮になります。

遺言執行者を選任することによるデメリット

遺言執行者に一般人である相続人の一人が就任した場合には、手間がかかる、ということです。例えば、財産目録を作成し、他の相続人へ交付する作業は普段からこのような作業をしていないと、なかなかスムーズに書類が作成できないかもしれません。また、相続人を確定するために、被相続人の戸籍を収集する作業にも手間取る可能性があります。理由もなく財産目録を交付されない場合には、他の相続人から遺言執行者の職務怠慢として解任請求をおこされるかもしれません。他の相続人としては、遺留分減殺請求をする判断材料となる財産目録となるからです。

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遺言執行者の業務内容

遺言執行者になった方の業務は、民法という法律に以下のように規定されています。

(遺言執行者の任務の開始)
第千七条
 遺言執行者が就職を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければならない。
(相続財産の目録の作成)
第千十一条
 遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を作成して、相続人に交付しなければならない。
2遺言執行者は、相続人の請求があるときは、その立会いをもって相続財産の目録を作成し、又は公証人にこれを作成させなければならない。
(遺言執行者の権利義務)
第千十二条
 遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。
2第六百四十四条から第六百四十七条まで及び第六百五十条の規定は、遺言執行者について準用する。

基本的には、相続開始した場合には、以下のような流れで業務を行います。

1.就任承諾の通知書の作成
2.相続人及び相続財産の調査
3.財産目録の作成・相続人へのその交付
4.遺言執行(遺言内容の実現する作業)

遺言執行者になれる人

受遺者や相続人も遺言執行者になることができます。信託銀行などの法人も遺言執行者になることができます。司法書士や弁護士に依頼をされるケースも多いです。

遺言執行者になれない人

未成年者や破産者はなることができません。

遺言執行者の選任方法-遺言書が存在することが前提

まず、遺言執行者とは遺言書が存在することが前提です。遺言書が存在しないにもかかわらず、相続財産がたくさんあるので遺言執行者を選びたい、といってもそれはできません。
遺言執行者の選任方法

1.遺言書で指定する方法
2.家庭裁判所で選任してもらう方法
3.遺言者から遺言執行者の選任することを任された者が誰かを選任する方法

専門家に遺言執行者の選任を依頼した場合の費用

遺言執行者を専門家に依頼した場合、報酬としてどれぐらい支払うことになるのかを事前に確認しておきましょう。遺言書に報酬の記載があればその金額、もし記載が無ければ遺言執行者が家庭裁判所に申し立てて報酬を決めてもらうことになります。通常は、遺言書作成を専門家に依頼をして、その専門家が遺言執行者になる予定であれば、遺言書に報酬等の明示がされているはずです。
遺言を執行するには、戸籍の取得費や通信費などの経費が発生しますので、報酬と経費を合わせて精算することになります。
報酬は依頼する事務所によって異なります。報酬の額及びアクセスのしやすさ、専門家との相性、あと大事なことは相続手続に強い事務所を選ぶことが大事です。

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