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生前贈与 税金 相続対策 遺言書作成

生前贈与により資産を家族へ上手に渡す方法

投稿日:2018年8月6日 更新日:

 

前回のブログ「活用していますか 生前贈与における贈与税の非課税枠」で贈与の非課税について解説をいたしました。

本日は、実際の生前贈与により、資産を親から子供へ承継していく事例について紹介していきます

実際の生前贈与 検討すべき事

 

まずは、家族構成を見ていただきます

 

太郎には、自宅以外にマンション一室、そして預貯金が3000万円あります

 

このままでは、将来、相続税がかかる可能性がありますので、生前に相続対策を検討しています。どういった方法が考えられるでしょうか。

 

これだけの情報で、いくつか方法が思い浮かぶ方はかなり、レベルが高い方ですね。

 

選択肢としては、いくつか考えられます

 

1 何もしない

2 暦年課税制度による110万円の贈与を複数年繰り返す方法

3 相続時精算課税制度を利用する

4 遺言書を作成する

5 その他の方法を利用する

6 1~5を組み合わせる

 

実は、すべて正解といえるかもしれません。但し、「かもです」

 

どういうことか、お話します。

 

太郎さんは全財産が、自宅3500万円、マンション2500万円、預貯金3000万円で合計9000万円の資産があります。

 

何もしない

このまま太郎さんが死亡すると

 

「相続における控除額3000万円+相続人の人数×600万円をオーバーしているから、税金がかかってしまうじゃないか」、と心配される声も聞こえてきそうです。

3000万円+600万円×3人=4800万円

 

相続税については前記 「相続における控除額3000万円+相続人の人数×600万円」 の控除額があります。

 

遺産がこれを超えていたとしても

 

配偶者については、法定相続分相当額もしくは1億6000万円以内の遺産を相続した場合には相続税がかからない、(配偶者の減額軽減)という特例があります。

 

このケース、太郎さんが死亡した場合に妻花子さんが全てを相続すれば、相続税は発生しない、ということですね

 

他にも、小規模宅地の評価減によって、自宅敷地の評価がドン、と下がることもありえます

 

たしかに、これも正解の一つであるといえるでしょう

 

ただ、専門家は太郎さんの相続だけを見ているわけではありません。

 

仮に太郎さんが亡くなって、妻花子さんがすべて、相続した場合、太郎さんの相続においては相続税は発生しません。

ただ、何が起こるか、将来のことは誰にもわかりません。

 

花子さんが事故や病気で太郎さんより先に亡くなってしまったら、やはり、相続税が発生すると思います。

 

ですので、何もしない、というのも正解であって、正解でないともいえます。

 

暦年課税における110万円控除を複数年、繰り返していく

 

これも、正解ですね。

太郎さんの推定相続人は、3人(花子、一郎、次郎)います。

一年間あたり 110万円×3人=330万円

贈与税がかからずに、贈与することが出来ます。

 

10年間続けると、330万円×10年で3300万円も贈与することが出来ます。

 

今回のケース13年間贈与すると

 

330万円×13年=4290万円   9000万円-4290万円=4710万円となります

 

太郎さんの財産に変動がない場合の話ですが

 

もう、相続税はかからないですね。

これも、正解であるは思います。

 

ただ、手間と時間と費用がかかります。また、先ほどと一緒で花子さんが先に死亡した場合には、相続人が一人減ってしまいます。

一年で220万円しか、非課税で贈与することができません

 

時間がかかってしまいます。

 

相続時精算課税制度を利用する

 

これもある意味正解といえます、ある意味とは

相続税対策としては不完全であるけども、争族対策としては正解

 

太郎さんが

「自宅については、長男の一郎に相続させたい」

「次男にはマンションを相続させたい」

「妻には現金を相続させたい」

という思いがあるときに、太郎さんが元気な内に

 

自宅を長男 一郎へ相続時精算課税制度で生前贈与 

➝ 自宅評価は3500万円ですので1000万円オーバーしています

オーバーすると20%の贈与税が発生しますので200万円贈与税の支払いが必要になります

 

マンションを 次郎へ相続時精算課税制度で生前贈与 2500万円で収まっています

 

妻 花子には相続時精算課税制度は使えません

 

つまり、次男である次郎への贈与については正解です

贈与税が発生してもいいのであれば、一郎への贈与も正解となります

 

また、相続時精算課税制度は生前贈与の形態をとりますが、贈与した金額は、そっくりそのまま将来太郎が死亡した時に他の遺産と合算することになっています。

つまり、今年マンションを2500万円で次郎に生前贈与をしたとしても、太郎が死亡した時には2500万円は他の遺産とあわせて計算することになりますので

太郎の財産は減っていないことになります

 

また、花子へは相続時精算課税制度は使えませんので、非課税での贈与ができません。よって、今回のケースでは不完全であるといえます。

 

遺言書を作成する

 

これもある意味、正解ですが、不完全です

相続税対策としては不完全であるけども、争族対策としては正解といえます

 

遺言書で、

自宅を長男 一郎へ

マンションを 次郎へ

現金を 花子へ相続させる、と遺言書を作成しておけば、確かに争族対策としては、正解といえるでしょう

 

ただし、太郎の財産は全く減ってはいないので、相続税対策としては不完全でいえます

 

その他の方法を利用する

これは、実際何をするんだ、という話ですがその他の方法としては以下の方法が考えられます

 

1 太郎が保険金1500万円の生命保険に加入する

2 家族信託を設定する

3 養子縁組で相続人を増やす

4 マンションを売却して現金化する

5 贈与の非課税制度(居住用不動産の配偶者控除、結婚子育て資金贈与等)を利用する

6 任意後見契約を締結する

 

色々と方法は考えられます

 

目的に応じた使い分けが大事です

 

よって、

 

相続対策というのは完全なるオーダーメードといえます

 

専門家によって持っている引き出しが、異なりますのでご自分にあった専門家を選んでいただくことが大事です

 

専門家の対策

では、今回のケース、どのような方法で対策をするかといいますと、

 

まず、

 

目的が相続税対策であれば

 

暦年課税制度とその他の方法を使います

大事なのはその他の方法でまず、

1.生命保険に1500万円加入していただきます

それによって、まず1500万円の預貯金を減らすことが出来ました

(残り7500万円目標4800万円まであと2700万円)

 

2.自宅を長男ではなく、妻花子に居住用不動産における夫婦間贈与の特例(2000万円控除+110万円控除)を使って、太郎から贈与する

(残り5390万円目標4800万円まであと590万円)

さらに、妻であれば不動産取得税の控除の要件(居住用かどうか)に該当する可能性が高い

 

3.暦年課税制度の110万円控除を使って生前贈与をする(2年間3人へ)

(残り4730万円目標4800万円に到達しました)

 

注意としては、現金3000万円の内1500万円を生命保険にかえてしまいましたので、手持ちの現金が少なくなってしまいます

 

太郎さんの年齢が61才ですので、年金受取にはまだ少しだけ年数がかかります

 

ですので、マンションを売って、現金化しておくことをお勧めいたします

 

さらに、可能であれば年金を65才で受け取らずに、繰り下げ受給を提案すると思います

 

ここまでが、元木司法書士事務所の相続対策サポートになります

 

もし、目的が相続税対策でないのであれば、違った方法を組み合わせていくことになります

 

1から5の方法を組み合わせる

これは、実務上よく行われている方法です。今回の場合には、正解といえると思います。

遺言書を作成したり、暦年課税制度110万円控除、さらに生命保険に加入する、夫婦間贈与の特例を利用する等を組み合わせたりすることによって、十分な対策がとれると思います。

 

今回のケースでは、マンションを次郎に相続させる遺言書を作成、自宅と預貯金については暦年課税制度を使って、複数年かけて財産を承継していく方法も使えると思います。

夫婦間贈与の特例をつかって一部を(2110万円分)花子さんに贈与してしまうことによって太郎の財産を減らすこともできます。

 

補足説明

年金は受け取ることが出来るようになってから(65歳)一月単位で受け取ることをずらすことが出来るようになっています(繰り下げ受給といいます)

メリットとしては、一月ずらすことで0.7%年金が加算されるようになっていることです

一年ずらすことができれば、0.7×12カ月=8.4%加算の年金が生涯受け取ることが出来ます

 

70才になるまで(最大5年間)繰り下げることができます

5年繰り下げるとその後は42%加算の年金ががもらえるようになっています

 

ただし、長生きしていただかないと、トータルで見ると損をしている、なんてことにもなりかねませんので、そこは自己責任でお願いします

 

超高齢社会の日本において、この繰り下げ受給がいつまで制度としてあるかは不明ですが

 

現在の銀行の金利水準ではありえない、増え方です

 

可能ならば、繰り下げ受給を提案します

 

最後に年金の話までしてしまいましたが、相続対策というのは、幅広い知識や経験がないとアドバイス出来ません

 

どうしても、専門家によって、レベルに差が生じます

 

上手にご自分にあった専門家を探してみて下さい

 

最後までご覧頂きましてありがとうございました。

 

 

 

 

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