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法律改正 遺産分割について

今後の相続対策に影響が 遺産分割について見直し 重要 民法改正

投稿日:2018年8月17日 更新日:

本日も前回のブログ「今後の相続対策に影響が 重要 民法改正」と同様に相続対策にとって重要な法律改正について解説していきます

 

本日のテーマは

「遺産分割」改正ポイント

 

長期間婚姻している夫婦間で行った居住用不動産の贈与を保護

婚姻期間が20年以上である夫婦の一方が,他方の配偶者に対し,その居住用建物又はその敷地(居住用不動産)を遺贈又は贈与した場合については,民法第903条第3項の持戻しの免除の意思表示があったものと推定し、遺産分割においては、当該居住用不動産の持戻し計算を不要となります

当該居住用不動産の価額を特別受益として扱わずに計算をすることができます

現在の取扱

税務上は、夫から妻に居住用不動産の特例により贈与した場合には、相続開始時から3年以内の贈与であっても課税の対象にはなりませんでした。

遺産分割上は、夫婦間贈与の特例を使った場合には、遺産を先にもらったもの(特別受益といいます)として取扱をしていました。
遺産分割としては相続分を先にもらったものとして扱うとなると、実際にもめそうな家族構成の場合には、他の財産をもらえなくなる可能性があります。

以下のような、家族構成の場合です

 

 

このケース花子が太郎の生前に夫婦間贈与の特例を使って2000万円分の不動産の贈与を受けました。

その数年後に太郎が死亡した際の遺産分割協議の場で、一郎が「花子はすでに2000万円の特別受益があるので、預貯金2000万円はすべて自分の分だ」との主張があると花子の生活が困ります。

生前贈与の2000万円を相続財産に加算して(持ち戻しといいます)他の財産と遺産分割をする、ということです。

 

今回の法律改正で「夫婦間贈与の特例」を使って生前贈与をした場合には、被相続人が民法903条第3項の持ち戻しの免除をしたものとして、特別受益ではないものとして取り扱います(相続財産に加算する必要がなくなります)。

法律改正後

法律改正後には、花子は一郎との間で預貯金2000万円についての遺産分割協議をすることになります

花子の今後の生活費を確保することが容易になります

 

 

遺産分割前の遺産処分

遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合であっても、共同相続人全員の同意により、当該処分された財産を遺産分割の対象に含めることができるようになります

共同相続人の同意については、財産を処分した相続人の同意は不要になっています

 

現在の取扱

遺産分割の対象になるのは、遺産分割時にある遺産だけです。そのため、被相続人の死亡時に遺産に属している財産があったとしても、その後にその財産が処分されてしまいお金に換価された場合には、遺産ではなくなったものとして扱います

法律改正後

条件としては

①処分された財産が、相続開始時に被相続人の遺産に属している
②財産が勝手に
処分されてしまった
③共同相続人全員が、当該処分された財産を遺産分割の対象に含めることに同意した

これらの条件を満たすと、

「処分された財産が遺産の分割時に遺産として存在する」とみなされるようになります

 

ここが注意➝相続開始時に被相続人の遺産に含まれていなければなりません。よって、被相続人の生前に処分されてしまった財産については、この規定は該当しません

 

事例としては以下のとおりです

 

相続人による不当な出金や処分があった場合にも対応が出来るようになります

 

 

仮払い制度等の創設・要件明確化

①家庭裁判所は,遺産の分割の審判又は調停の申立てがあった場合に、病院への支払い、相続人の生活費、葬儀費用の支払いに遺産に属する預貯金債権を他の共同相続人の利益を害しない限り,申立てにより,遺産に属する特定の預貯金債権の全部又は一部を仮に取得させることができる。

ややこしいですが、従来より仮払いの仮処分をすることの要件を緩和されることになります

 

②各共同相続人は,遺産に属する預貯金債権のうち,各口座ごとに以下の計算式で求められる額までについて、他の共同相続人の同意がなくても単独で払戻しをすることができます

相続開始時の預貯金額×1/3×法定相続分=相続人が単独で払い出しできる額

 

法定相続分全額ではありません

 

従来は、遺産分割協議が終了するまでは、共同相続人の一部から単独での払い戻しができませんでした。平成28年12月19日の最高裁の決定により、今回の法律改正につながりました。

 

法律改正により、遺産分割協議成立前でも葬儀費用などの支払いにあてることができるようになります。

 

 

 

 

 

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